多摩市・阿部市長インタビュー(2)| 多摩ニュータウン.com

多摩市・阿部市長インタビュー(2)

【多摩市・阿部市長インタビュー(1)から続く】

■ミニバスについて

――愛宕・和田地区と永山駅・市役所を結ぶミニバス路線を10〜12月の期間、試験的に運行する社会実験についてはどのように評価していますか。

地域に住む人たちが、高齢化が進んでいることへの対処と、CO2を削減するという目的などから、地域にミニバスを走らせる、しかもそれを地域住民と大学の学生たちが連携しながら、ボランティア活動の中でこういう構想が生まれてきたことは、とても高く評価できると思います。そのうえで市として今回、バックアップするような形で3カ月間、もしかすると当初開始予定の10月から少しずれ込むかもしれませんが、地域の皆さんのニーズを探りながら、ミニバスが市民の足としてまちの中にどう定着させていくのかという実験がスタートします。これは非常に素晴らしい試みだと思っています。

――他の自治体のいわゆる「コミュニティバス」と比べた場合、多摩市のミニバスはどういった点が異なり、またどういった点が改善されるのが望ましいのでしょうか。

多摩市の場合は起伏の多い丘陵地帯にまちを作っているということがありますので、高齢化、少子化ということも合わせて、ミニバスのニーズはかなりあると思います。ただ一方、多摩市は歩車分離のまちであること、市民の乗用車の保有率もかなり高いということもあり、そういう条件も踏まえてミニバスのニーズがどの程度あるのかということもきちんと把握する必要があります。

もう一方で、路線バスとミニバスは差別化していく必要があります。他自治体のコミュニティバスの場合、100円や150円の均一料金の例が多いですが、多摩市の既存ミニバス路線は距離制の運賃でやっています。考え方としては、多摩市も均一運賃でやるという選択肢もあるのでは、と思っています。

また、車両の大きさについても、皆さんと一緒に論議していく必要があるように思います。多摩市の場合は、ミニバスとはいえそれなりに大きな車両ですが、ほかの自治体ではもう少し小振りなものが使われているところもありますし、あるいはワンボックスの車体も考えられるかもしれません。地域のニーズにもよるでしょうが、そうした適正なサイズの考察につながるような経験が今回の社会実験でできれば、次につながるのではないかなと思っています。

――丘陵地であることなどの条件から、多摩市に適した独自のミニバスのあり方を探る必要があるということでしょうか?

小さな車両を使って細い道まで入っていき軒先に停まるものや、需要に応じて走行経路を柔軟に調整するオンデマンドバスも含め、愛宕地区のミニバスの社会実験で、市民の皆さんのニーズをきちんとくみ取ることが大切ですし、さまざまな選択肢についても考える契機になるのではないかと期待しています。

■地域イベントについて

――地域の住民の交流を深めるイベントは活発に行われ、市長も積極的に足を運ばれています。先日の大栗川水辺祭りで市長にお話を伺った際には、地域や世代を越えて市全体の住民が大勢参加し一緒に楽しめるような「お祭り」の必要性に触れていらっしゃいました。現時点のイメージで結構ですので、どんな種類、内容の祭りが理想だと思うかを教えてください。

お祭りの効用として、世代を越えた交流が進み、まちが元気になるということがあると思います。それは地域に伝統的にあるお祭りでもいいし、新しいお祭りでもいいのですが、地域全体がひとつになれるようなものです。多摩の場合、各地域でいろんなお祭りがあって、今は夏なので盆踊りが多いですし、そのあとは神社などの秋祭りが始まります。また、多摩センターというニュータウンの玄関口を中心とした大きなイベント、具体的にはガーデンシティ多摩センターこどもまつりやハロウィン、冬のイルミネーションなどもあります。聖蹟桜ヶ丘にも今度のせいせき多摩川花火大会などがあります。

ただ、そうした地域のお祭りとは別に、市全体でひとつのお祭りに向かって燃焼していくような大きな取り組みもあれば面白いと思います。たとえば長野県の諏訪大社の御柱祭(おんばしらまつり)など、地域全体が燃えるのではないでしょうか。あるいは札幌で若い人たちが始めた「よさこいソーラン祭り」なども面白いですよね。近隣の自治体でも、八王子まつりがちょうどこの時期行われていて、旧甲州街道を全部歩行者天国にして、八王子のすべての神社から山車が出てくるというお祭りです。そういったような形で、さまざまな世代の住民が祭りを重ねることによって、自分たちの文化を継承し、新しく次の世代に引き継いでいけるような、燃焼できるようなものが、何かできないだろうかと思いますね。

特に来年は市制施行40周年です。私も地元の既存の人と飲んでいるときによく言っているのですが、ニュータウンと既存地域の融合をさらに進めるためにも、市内の神社の山車が一斉に出る、ニュータウンの人たちも自分たちで作った山車を出すような、そういう祭りができないだろうかということも考えます。ただしそれには、通行止めや交通規制、警備などさまざまな課題があるのも確かです。また、市の財政が厳しいという状況もあります。ですので、私が市長として具体的に何かを提案して先導するのではなく、みんなが力を合わせ、共に汗を流す中で、何かできないかなと思っています。多摩の場合は聖蹟桜ヶ丘、多摩センター、永山とそれぞれ基幹の駅が分かれていることもあり、一緒に何かをするのに難しい部分はあるなとは感じていますが、それを乗り越えて市民全員が参加し、多摩がひとつになれるような大きなお祭りを起爆剤にして、元気な多摩のまちを作っていけるといいですね。

――そうすると、市が主導して何かやるというよりも、市民の方で大きな動きが出てきたときに市もバックアップしますよ、という理解でよろしいでしょうか。

ええ、そうです。そうなってくればいいと思いますね。

【多摩市・阿部市長インタビュー(3)に続く】

[参考リンク]
東京都多摩市愛宕地区/多摩ニュータウン ミニバスを走らせる会
せいせき多摩川花火大会 公式サイト

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update: 2010年8月12日