"伝えること"の大切さ–『さよならケーキとふしぎなランプ』吉祥寺バウスシアターで公開中| 多摩ニュータウン.com

"伝えること"の大切さ–『さよならケーキとふしぎなランプ』吉祥寺バウスシアターで公開中

5月末での閉館を発表した吉祥寺バウスシアターで現在、地元吉祥寺を舞台にした映画『さよならケーキとふしぎなランプ』がクロージング作品として公開中だ。映画作りを通じて吉祥寺の発展に貢献することを目指すプロジェクト「吉祥寺で映画を撮ろう!」の第4弾で、上映は5月9日(金)まで。
俳優初挑戦となるシンガー・ソングライターの堂島孝平を主演に、モデル出身の新進女優・平田薫をヒロインに迎えた。WAHAHA本舗の梅垣義明もヒロインの頑固な父親役で出演。『ゆるせない、逢いたい』の金井純一監督がメガホンをとった。地方でケーキ店を営む父とケンカして飛び出したパティシエのアキ(平田薫)が、吉祥寺でカフェを営む此野岸さん(堂島孝平)にケーキ作りの腕を買われ、住み込みで働くようになるが、店内に置かれた骨とう品のランプには不思議な力があって――というストーリー。

プロデューサーを務めたのは、株式会社武蔵野映画社・代表取締役の松江勇武(いさむ)さん(写真)。香川県出身の松江さんは、吉祥寺駅北口のハモニカ横丁に居酒屋「おふくろ屋台1丁目1番地」を出店したのがきっかけで武蔵野市に住むことに。発起人を買って出た「吉祥寺で映画を撮ろう!」プロジェクトは、2009年『セバスチャン』の製作・上映からスタート。過去の3作で松江さん自身、プロデュースや音楽制作を務めている。
率先して体を動かすバイタリティと人懐こい笑顔で大きなプロジェクトを引っ張る一方、穏やかな口調で作品を語る一面も持つ松江さん。本作の脚本には、自身の父親と死別した年の出来事も反映されているという。あるとき、帰省するつもりで電車に乗ったはずが、途中で「道草旅行」になってしまい、結局実家には行かず自宅に戻ったところ、数カ月後に父親が他界。「あのとき帰っていたら会えたのに」と悔やんだ。「(ファンタジー要素のある)本作では、亡くなった大切な相手に気持ちを伝えられる人もいますが、現実には、死別した人にはもう伝えられない」。登場人物全員がハッピーな結末を迎えるわけではない。相手が生きているうち、会えるうちに、きちんと気持ちを伝えることの大切さを感じてもらえたら、と松江さんは話す。
4月26日の初日舞台挨拶で、松江さんは2年後を目標に、新しい映画館を吉祥寺でオープンする計画を明らかにした。閉館という“別れ”を控えた劇場で、新しい“出会い”を予感させてくれた発表は、『さよならケーキとふしぎなランプ』のテーマに通じる。人生の甘さとほろ苦さが詰まった本作を、じっくりと味わっていただきたい。

【キャスト/スタッフ】
出演:堂島孝平/平田薫/ヨネスケ/坂田雅彦/田中世津子/広澤草/福場俊策/二宮慶多/梅垣義明
監督・編集:金井純一 脚本:金井純一/ビーグル大塚
プロデューサー:松江勇武/古賀奏一郎 撮影:清村俊幸(J.S.C) 照明:藤本早苗 録音:間野翼 音楽:松本タカヒロ(The Turtles) 助監督:近藤有希 制作担当:湯澤靖典 製作:武蔵野映画社 制作プロダクション:SS工房 イラスト:キン・シオタニ 後援:多摩信用金庫 協力:一般社会団法人武蔵野市観光機構/吉祥寺活性化協議会/武蔵境活性化委員会/TAIRAYA武蔵境店 配給・宣伝:ブラウニー/武蔵野映画社
2013「さよならケーキとふしぎなランプ」 [2013/日本/カラー/ビスタサイズ]

さよならケーキとふしぎなランプ 公式サイト
武蔵野映画社
吉祥寺バウスシアター

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update: 2014年4月29日